一遍聖絵にも登場した新京極商店街にあるお寺
四条通りから新京極商店街へ。三条通まで続く約500メートルある新京極通りにあるアーケード商店街。
かつて、平安京の最も東に位置し、東京極大路(現在の寺町通り)の東側に新しく造られた通り。豊臣秀吉が市中の多くの寺院を寺町通りに集めたことに伴い、その境内が縁日の舞台として利用され、周辺は見世物や催し物を中心に発展。そして、明治時代東京遷都に伴い、衰退する京都の士気を上げるべく誕生したのがこの新京極通。
そんな繁華街の一角。ビルとビルの間の隙間に寺院が。見過ごしてしまいそうなほどの目立たなさ。
今回、なぜこちらを訪問したかというと、現在京都国立博物館で開催されている特別展「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」で展示されている聖絵の中に、このお寺が登場。それがどんなお寺なのか興味があり、やってきました。
今回、なぜこちらを訪問したかというと、現在京都国立博物館で開催されている特別展「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」で展示されている聖絵の中に、このお寺が登場。それがどんなお寺なのか興味があり、やってきました。
国宝「一遍聖絵」第七巻絵二十六に描かれた四条京極の釈迦堂がこの染殿地蔵院にあたり、聖絵の中では大勢の僧侶が踊り念仏を唱えるシーンが描かれていました。時宗の寺院。
弘法大師・空海により808年に創建。
こんな狭小スペースの参道を抜けて本堂へ。
秘仏の本尊は空海作と伝えられる地蔵菩薩立像を安置。江戸時代には名地蔵の一つとも称されたほど。
文徳天皇の皇后(染殿皇后)がこの地蔵像に帰依して無事に清和天皇を出産したことから、安産祈願のお寺としても有名。そんなことから、こちらの御朱印には犬の親子が描かれていたり。
また、かつては釈迦如来を安置したことから、聖絵の中のように『四条京極釈迦堂』とも呼ばれていた時代もあったようです。
面白いことに、四条通りに面した甘栗和菓子老舗・林万昌堂の店内を通り抜ける参道。時代の移り変わりを、境内の様子から色濃く感じる寺院。一遍聖絵の鑑賞とともに訪れたい場所。
染殿地蔵院 へのツイート
【時宗の旧跡🚶四条京極釈迦堂】四条通りにある甘栗の林万昌堂さん、店の奥には染殿院という地蔵尊があります。ここは「一遍聖絵」巻七で一遍が訪れた四条京極釈迦堂です。聖絵には見物の人びとが押し寄せる中、一遍が肩車をされ、お札を配っている様子が描かれています。 pic.twitter.com/eYJEtBOloO
— 「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」公式 (@kokuhoippen2019) 2019年5月10日