劇団仕込みの声とギター1本で 大山崎を拠点に歌う弾き語りミュージシャン

京都府大山崎町を拠点に活動する弾き語りミュージシャン、はしづめだいすけさん(橋爪大輔さん)。2026年9月、町内のカフェ「N's SWEETS&DELI」でワンコインコンサートを開き、会場は開演前から満席に。タクシーで駆けつけるファンの姿もありました。午前は子ども向け、午後はオリジナル曲を中心とした大人向けの2部構成。まっすぐで温かな歌声に、客席は最後まで聴き入っていました。

目次

大山崎を拠点に歌う弾き語りミュージシャン

■マイクなしでも届く声

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
はしづめさんは三重県津市出身。保育士の母に連れられて小田和正さんのコンサートに通い、中学・高校時代にギターの弾き語りを始めました。佛教大学への進学を機に京都へ移り、合唱団で「人前で表現する楽しさ」に目覚めます。
 20代は大阪の劇団で約4年間活動し、保育園や小学校で子どもたちに劇を届けてきました。数年前、大山崎町の劇団に勤めたことをきっかけに町へ移り住みます。音響機器を使わなくても会場の隅々まで響く声は、劇団時代に鍛えた舞台発声のたまものです。

大山崎に新しく出来たアート&テクノロジーヴィレッジ京都で初めて演奏しました!
■ギター1本で、どこまで行けるか
 2025年3月に劇団を離れ、「このギターと声でどこまでいけるか」と弾き語りの道へ。愛用のギターは、高校卒業の際に祖母から贈られたもの。物をすぐ手放してしまうという本人が、このギターだけはずっと大切にしてきたそうです。
 最初の一歩は、ギターの修理店で教わった祇園のライブハウス「シルバーウィングス」の、誰でも参加できるイベントでした。緊張しながら扉を開けた夜に温かく迎えられた喜びを歌った「銀翼歌酒場のうた」は、応援団長を自任するファンが「聴きたい」と言い続ける人気曲です。現在は祇園のほか、大阪府枚方市や兵庫県川西市などのライブハウスにも活動の場を広げ、地元でもATVKや山﨑バルなどのステージに引っ張りだこです。

■聴く人の人生に寄り添う歌

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
オリジナル曲で大切にしているのは「なるべく自分の言葉で」歌うこと。大人になってからできた友人と、敬語からタメ口に切り替わる瞬間の照れくささを歌った「タメ口」は、各地で披露するうちに「俺、友達やと思ってたけどな」と声をかけてくれる人が現れたといいます。
 今年8月には、大阪の音楽プロデュース会社から、ある経営者の人生を楽曲にしてほしいという依頼を受けました。
1時間20分のインタビューを聞き返し、3日かけて仕上げたのが「コウモリ」です。アメリカで生まれ、日米どちらの学校でも居場所を見つけられなかった依頼者の孤独を、イソップ童話の「鳥にも獣にもなれないコウモリ」に重ね、自分を肯定して一歩を踏み出す歌に仕上げました。

「N's SWEETS&DELI」でワンコインコンサート

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
高齢者施設などへの訪問演奏も大切な活動の一つです。劇団で子どもたちに劇を届けた経験から「今度は施設に歌を届けたい」と始めたもので、大山崎町を中心に長岡京市や京都市内へと広がっています。利用者から「日本一になって」「有名になってね」と声援を受けることもあるそうです。

■「小さな町だから、人がつながる」

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
大山崎での暮らしについて、はしづめさんは「ちょっと行動したら素敵な人とつながる。町がギュッとまとまっていて住みやすい」と話します。京都にも大阪にも出やすく、ライブ活動にも好都合だといいます。
 友人のジュンさんは「弾き語り一本でどこまでいけるか、そこに振り切れること自体が魅力。感情がそのまま伝わる歌」と語り、応援団長のSさんは「まじめで、あったかい」とその人柄をたたえます。

友人のジュンさんと

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
今後について「自分が想像もしないような場所へ、少しずつ広がっていけたら」と語るはしづめさん。この日の締めくくりは、会場全員での「上を向いて歩こう」の大合唱でした。大山崎で育まれた歌声が、人と人をつなぎながら着実に広がり始めています。

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