抹茶を飲むから食べるに大変革
宇治川沿いに店を構える料亭、辰巳屋。創業180年以上の老舗です。
辰巳屋の八代主人 左聡一郎さん。
看板料理は、鮮やかな緑をまとった抹茶のコース料理。
実は抹茶は扱いが難しく、非常に繊細な食材。火入れや保存方法を間違えるとすぐに色が悪くなってしまいます。しかし茶処・宇治に店を構える辰巳屋は、その日使う分だけの抹茶を仕入れ使うことができたので、数十年も前から抹茶料理に挑戦することができたのです。
27歳で修業を終え辰巳屋に戻った左さんは、抹茶料理のコースに新たな風を吹きこきました。
既存のコースでは品数が少ないと感じ、抹茶を使った料理をもっと増やすべきだと考えたのです。辰巳屋を変えていきたい左さんと、伝統の味を守ってきた父である七代目との間には当然軋轢が生まれました。お互いぶつかり合いながらも、辰巳屋の未来のため奔走してきたのです。
左さんは今、生まれ育った宇治という町に目を向けています。