【京都】酒処 伏見桃山の穴場「長建寺」 異国情緒あふれる山門と弁天さん

伏見区桃山にある長建寺は、京都では唯一の弁財天をご本尊とする寺院です。桜の名所でもあるのですが、今年はタイミングが合わず、新緑の美しい時期の参拝となりました。

目次

伏見の復興を願って創建された長建寺

長建寺は、伏見区桃山エリアにある真言宗の寺院です。
創建は元禄12年(1699)で、伏見奉行であった建部政宇(たけべまさのき)が、深草大亀谷にあった即成就院の塔頭・多聞院を移転して新たな寺院とし、建部の「建」と長寿を願った「長」の字を取って「長建寺」と名付けられたのが始まりです。

via 藤花
当時の伏見は豊臣秀吉が築城し、のちに徳川家康の居城ともなったことのある伏見城が廃城となって久しく、すっかり衰退していました。
それを復興させようと奮起したのが、建部だったのです。
長建寺の目の前を流れる濠川を開拓して交通の便を図るなどの施策も行っていたそうです。

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長建寺のご本尊は、8本の腕を持った八臂弁財天(はっぴべんざいてん)で、毎年元旦からの15日間だけ開帳される秘仏です。
弁財天がご本尊となっているのは、京都ではこちらだけ.。
地元では「島の弁天さん」として親しまれています。

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異国情緒たっぷりの竜宮門

京阪中書島駅から濠川へ、川沿いにぶらぶらと歩いていると見えてきました。
そこには日本のお寺とは思えない素敵な山門。
中国風の独特な形の竜宮門は、まさに竜宮城の入口のようです。

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でも、酒どころの伏見らしく門の両脇には月桂冠の樽が置いてあるところなどは、日本らしい。
門の奥に広がる境内も日本のお寺です。
なぜ門だけが中国風なのでしょうか。
ふと疑問に思い調べてみましたが…わかりませんでした!

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疑問は忘れて、中へ入りましょう。
山門をくぐってすぐ左には、摩利支尊天と飛龍大権現のお社、その横に鐘楼があります。

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でも鐘楼にしては高さがないし、鐘を撞くための撞木も見当たりません。
この鐘楼は、もともとは三十石舟は町内に時間を知らせるために撞いていたそうですが、第二次世界大戦の際の金属不足を補うため、軍に供出されて大砲へと姿を変えていたのです。
その後は復元されることはなかったそうです。
現在見られるのはレプリカでその下は和歌のおみくじが引けるおみくじ舎になっています。

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参道の一番奥に見えるのが、弁財天をお祀りしている本堂です。

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その前にまずはお清め。
長建寺の手水は「閼伽水(あかすい)」と呼ばれる伏見の名水のひとつです。

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御本尊にお参りしたあとは、美しい御朱印をいただきました。
こちらは無人の授与所なので、御朱印の横にあるお賽銭入れに御朱印料を入れます。

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本堂の右わきから参道を進むと、不動堂とその前に赤い柵で囲われた護摩炉がありました。
護摩炉とは護摩木を焚く場所ですが、その横に大きく「ゴミ捨て場ではありません」の文字が。
ゴミ捨て場と勘違いした人がごみを捨てたことがあったのでしょうか?
というか、そもそもあちこちにごみを捨ててはいけません!

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不動堂近くには紫陽花がひっそりと咲いていて、しっとりと風情のある景色も楽しむことが出来ました。
次は京都で最も早い開花を迎えるという糸桜の咲きそろう華やかな季節に訪れようと思っています!

春に咲き誇る糸桜

長建寺参拝の後は、濠川沿いの酒蔵風景を見ながら、寺田屋・龍馬通りへ。
久しぶりの伏見桃山の散策を楽しみました。

via 藤花

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長建寺の基本情報

・住所 京都市伏見区東柳町511
・電話 075-611-1039
・参拝時間 9:00~16:00
・境内自由
・アクセス 京阪本線「中書島」徒歩約3分