京都市内を緩やかに逆流する疏水分線☆ねじりまんぽ~哲学の道~
そすいさんぽコースは「大津-鴨川コース」「鴨川運河コース」「疏水分線コース」で全3種類あり、概要は以下に。
①大津-鴨川コース:琵琶湖から山科、蹴上、岡崎を経て、鴨川までの12.5㎞
②鴨川運河コース :鴨川から南下し、深草、伏見を経て宇治川までの12.6㎞
③疏水分線コース :蹴上から哲学の道、松ケ崎を経て堀川通までの9.7㎞
※かつての疏水や疏水が合流している濠川などを含む全34.8㎞
コースのところどころでマップや距離標示もありますが、より迷うことなく歩くために、QRコードでコースをダウンロードすることもできます。
その3コースのうちの②コース、①大津-鴨川コース、②鴨川運河コースはすでに制覇→
https://kyotopi.jp/articles/GQNTq
https://kyotopi.jp/articles/BZaBJ
①大津-鴨川コース:琵琶湖から山科、蹴上、岡崎を経て、鴨川までの12.5㎞
②鴨川運河コース :鴨川から南下し、深草、伏見を経て宇治川までの12.6㎞
③疏水分線コース :蹴上から哲学の道、松ケ崎を経て堀川通までの9.7㎞
※かつての疏水や疏水が合流している濠川などを含む全34.8㎞
コースのところどころでマップや距離標示もありますが、より迷うことなく歩くために、QRコードでコースをダウンロードすることもできます。
その3コースのうちの②コース、①大津-鴨川コース、②鴨川運河コースはすでに制覇→
https://kyotopi.jp/articles/GQNTq
https://kyotopi.jp/articles/BZaBJ
今回は残り最後のコース、蹴上~哲学の道~松ヶ崎~堀川通をたどる③『疏水分線コース』を散歩することに。今回1日で全行程を制覇しましたが、レポート量が膨大なため前後編に編集し、その前編をご紹介します。
まずは疏水分線コースのスタート地点『ねじりまんぽ』。
アーチ部を斜めにねじって積まれる構造のトンネル「斜拱渠(しゃきょうきょ)」のことを指し、コンクリート構造物が発達する大正時代以前に建てられた歴史的建造物。渦を巻いたように積まれたレンガがアーチ状トンネルになっており、関西では旧国鉄東海道本線の敷設工事などで見られる工法ですが、鉄道以外の場所で見られるのは希少。トンネル自体を斜めに通内し壁のレンガをらせん状にすることによって、上部を走行する台車の重みにも耐えうるような構造上の強度が増すんだとか。
アーチ部を斜めにねじって積まれる構造のトンネル「斜拱渠(しゃきょうきょ)」のことを指し、コンクリート構造物が発達する大正時代以前に建てられた歴史的建造物。渦を巻いたように積まれたレンガがアーチ状トンネルになっており、関西では旧国鉄東海道本線の敷設工事などで見られる工法ですが、鉄道以外の場所で見られるのは希少。トンネル自体を斜めに通内し壁のレンガをらせん状にすることによって、上部を走行する台車の重みにも耐えうるような構造上の強度が増すんだとか。
疏水トンネルには、明治の元勲をはじめとする先人たちの揮ごうの扁額が埋め込まれ、それを見比べるのもそすいさんぽの醍醐味でもあります。
ねじりまんぽから北へ進むと、臨済宗南禅寺派の総本山寺院『南禅寺』に。
日本の禅寺の中で、最も格式高いお寺。お寺のシンボル的存在で京都三大門の一つにも数えられる三門は、歌舞伎狂言での大盗賊・石川五右衛門の放った名セリフ「絶景かな絶景かな~」でもおなじみ。
日本の禅寺の中で、最も格式高いお寺。お寺のシンボル的存在で京都三大門の一つにも数えられる三門は、歌舞伎狂言での大盗賊・石川五右衛門の放った名セリフ「絶景かな絶景かな~」でもおなじみ。
さらにコースを進むと、名門私立『東山中・高等学校』。この日はたまたま卒業式だったようで、通りには学校関係者の方が多数。
そんな学校前に距離標示。こちらは水のスタート地点・琵琶湖からの距離を示しています。
さらに北へ進むと、浄土宗西山禅林寺派の総本山『永観堂(禅林寺)』。ご本尊・阿弥陀如来は通称「みかえり阿弥陀」で知られ、紅葉の名所として名高く『秋はもみじの永観堂』のキャッチコピーでもおなじみ。
そこから東山山手へ向かい、桜の名所として有名な『哲学の道』。
琵琶湖疏水分線に沿った遊歩道で、多くの作家、文人に愛される憩いのスポット。
琵琶湖疏水分線に沿った遊歩道で、多くの作家、文人に愛される憩いのスポット。
その途中にも距離標示が。この日は上着がいらないほどの暖かい一日でしたが、まだまだ桜の開花には早い様子でした。
銀閣寺参道から白川通りへ。この日は五山送り火でもお馴染みの大文字山がよく見渡せました。
今出川通に面した疏水北側を進んでいくと、ちょうど昼時ということもあり、行列ができる京都ラーメン老舗『ますたに』に。この時はまだお腹も空いていなかったのでスルーしましたが、相変わらずの人気ぶり。画像は以前食べた時のラーメンで、典型的な豚骨醤油系京都ラーメン。
そこから疏水は緩いカーブを描きながら北へ。こういったものも疏水の流れを円滑にする役割のものなんでしょうね。
流れはかなりゆっくりではありますが、北に向かって流れています。
京都市内の地形は基本的に北高南低で、鴨川を見てもわかる通り北から南に水が流れるのが自然な流れ。しかしながら、疏水分水ではそれが逆流。疏水分線にはわずかな高低差が水路に設計され、こうして逆流する仕組みに。緩やかに泳ぐ魚影も見られました。
京都市内の地形は基本的に北高南低で、鴨川を見てもわかる通り北から南に水が流れるのが自然な流れ。しかしながら、疏水分水ではそれが逆流。疏水分線にはわずかな高低差が水路に設計され、こうして逆流する仕組みに。緩やかに泳ぐ魚影も見られました。
疏水沿いからは京都大学のグランドも見えます。
さらにこのあたりには歴史的建造物も多数あるエリアで、こちらは1927年建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計により建てられた『駒井家住宅』。駒井卓博士(京都大学名誉教授)の私邸だった建物で、有料で中の見学も可能。
さらに、こちらは歴史的建造物指定の建物ではありませんが、映画監督・大島渚や画家・竹久夢二が住み、作家・森見登美彦作『四畳半神話大系』の下鴨幽水荘のモデルになったアパートと伝わる『銀月アパートメント』。けっこう味わい深いボロさです(笑)
この辺りくらいから、疏水は北西に折れていきます。
この辺りくらいから、疏水は北西に折れていきます。
さらに北西へ上ると、北大路通との交差点にぶち当たり、さらに北西へ。ちょうど叡電電車が横切る下に疏水が流れています。
工場や公園などの間を疏水が流れていきますが、途中で疏水は暗渠に。
その先には高野川があり、疏水は高野川に合流。ちょうど霊峰・比叡山や五山送り火『法』も見え、視界が一気に広がったところで、今回はここまで。
ここからの続きは、近日中に後編でご紹介する予定です。
ここからの続きは、近日中に後編でご紹介する予定です。
文化庁所管で、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」と認定する取り組み。この琵琶湖疏水も日本遺産に認定されていて、その沿線を歩いて楽しむ散策道『そすいさんぽ』も、そんな取り組みの一環で2023年に整備。