【京都ニュース】放置竹林を地域の宝に 西山で動き出した二つの「竹の学び舎」

京都市内には約660ヘクタールの竹林があり、その約420ヘクタールが西京区大原野に集中しています(2021年度・京都市調べ)。全国有数のタケノコ産地である一方、担い手の高齢化による放置竹林の拡大は、景観の悪化、獣害、土砂災害リスクといった課題を地域に突きつけています。

目次

放置竹林を地域の宝に

開講式での吉田理事長

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
この西山の竹に向き合い続けてきたのが、NPO法人京都発・竹・流域環境ネット(吉田博次理事長、以下・竹ネット)です。
竹ネットは2026年6月17日、タケノコ栽培の後継者育成講座「竹の塾」の開講式を開きました。今年で8期目。毎月第3水曜日、専用の実習竹やぶで、敷きわらや土入れといった京都伝統の栽培法を、地元で50年、60年と畑を守ってきた農家の講師から一年かけて学びます。京都市南部農業振興センターも連携する取り組みで、修了生の多くはそのまま竹ネットの活動に加わり、管理する竹林の面積を年々広げてきました。「まず人づくり。人を育てることでしか、西山の竹林は守れない」。開講式での吉田理事長の言葉に、8年間の積み重ねがにじみます。

「竹あかりクリエイター養成講座」

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
さらに7月4日には、新たな挑戦が始まりました。京都市と共催する「竹あかりクリエイター養成講座」の第1回です。会場は、洛西支所が2025年6月から運営する竹とARTのボランティアセンター(旧京都市立竹の里小学校)。竹あかり演出のパイオニアとして知られる熊本「CHIKAKEN」代表・三城氏らの指導のもと、2027年2月まで座学、制作実習、設営実習、修了制作と実践的なカリキュラムが続きます。定員15名の枠に対し、初回には25名が集まる盛況ぶりでした。

年間2万本以上を伐採

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
背景には、竹ネットが掲げる「切った竹を使い切る」という目標があります。同法人が年間2万本以上を伐採するなかで、利活用率は現在約6割。竹あかりは、工芸には向かない竹の中間部も生かせるうえ、夜間観光や分散型観光への需要も高まっています。利活用率100%が実現すれば、整備で出た竹がすべて地域の中で循環することになります。まちびらき50周年を迎えた洛西ニュータウンでは、竹の櫓を組む盆踊りなど、受講生の腕を披露する場も待っています。

西山の竹あかり

via 京都西山旅感 HOTSUU 撮影
竹を切る人を育て、竹を使う人を育てる。二つの学び舎が並び立った今年、西山の竹林再生は新しい段階に入りました。

基本情報

◆NPO法人京都発・竹・流域環境ネット本部(中村竹研)
〒610-1133 京都市西京区大原野小塩町73-1(善峯寺参道沿い)

◆竹とARTのボランティアセンター(旧京都市立竹の里小学校)
〒610-1144 京都市西京区大原野東竹の里町4丁目1-1
市バス「東竹の里橋」下車徒歩2分(阪急桂駅から西2系統、JR桂川駅・阪急洛西口駅から西4系統)。駐車場なし。