北野天満宮に2022年編入された菅原道真公ゆかりの社
平安時代、謀反の罪により、朝廷から太宰府への左遷を命じられた菅原道真は、延喜3年(903)わずか2年ほどで無念の死を遂げ、それを悼んだ家臣たちが帰京した後、この界隈にかつてあった北野の森に、七か所の道真の供養所『北野七保』を設けました。
その七か所のうち、最初に道真を祀ったのがこちら安楽寺。道真の家臣が大宰府から持ち帰った道真手彫りの木像を安置し創建。さらに道真が合祀された後は一ノ保社・安楽寺天満宮と改め、神仏習合により神宮寺に。
その後、明治時代の廃仏毀釈によって安楽寺は廃寺となり、北野天満宮境内に移され末社・一之保神社となりましたが、再びこの地に分祀。
それ以降、平安時代から菅原道真に仕え、庶民でありながら祭礼や神の供物の準備、さらには酒造りに必要な麹の生産・販売にも従事したと伝わる北野天満宮に奉職する集団『西京神人』の子孫が神社の保存にあたってきました。
その後、明治時代の廃仏毀釈によって安楽寺は廃寺となり、北野天満宮境内に移され末社・一之保神社となりましたが、再びこの地に分祀。
それ以降、平安時代から菅原道真に仕え、庶民でありながら祭礼や神の供物の準備、さらには酒造りに必要な麹の生産・販売にも従事したと伝わる北野天満宮に奉職する集団『西京神人』の子孫が神社の保存にあたってきました。
その子孫が数年前に死去。それを機に、安楽寺天満宮の存続が危ぶまれることとなりました。それが2022年、西京神人とも深い縁のある北野天満宮に譲渡され、境内として編入されることに。
まだ開花する気配はありませんでしたが、境内には菅原道真ゆかりの梅の木もあり。
他にも見どころがあり、こちら赤いお稲荷さんの社『熊鷹稲荷』は、京都を代表する精密機器メーカーであり、ノーベル賞受賞者も輩出する企業、島津製作所の創業者・島津源蔵氏が円町で電球をつくっていた時にご利益を得て、祀られた稲荷社。
他、境内には不動石や楠の御神木もあり、西京神人の子孫に脈々と引き継がれて、大切に保存されてきたことがわかります。意外と知られていない、学問の神様・菅原道真公を祀る穴場神社。ぜひ、ご参拝ください!
詳細情報
名称:安楽寺天満宮
場所:京都市上京区御前通西裏上ノ下立売上ル北町
場所:京都市上京区御前通西裏上ノ下立売上ル北町
以前にも参拝したことのある神社でしたが、このほど北野天満宮の所有になったというニュースを知りやってきました。