【京都】世界に認められたパエリア 薪火で魅せる体験型スペイン料理店「estilo h」

左京区の岡崎エリアに、世界に認められたスペイン料理の名店が移転オープン。「estilo h(エスティーロ アチェ)」は、パエリア世界大会優勝の実力を誇る一軒。薪窯で仕上げる料理とライブ感あふれる体験で、すでに予約困難店となっています。

目次

世界に認められたパエリア

京都のカルチャーゾーンとして知られる左京区・岡崎エリア。
京都市動物園の北側、住宅街に注目のレストランが移転オープンしましたのでご紹介します。
お店は、この細い路地の先にあります。

町家が並ぶ一角にオープンしたのが、スペイン料理店「estilo h(エスティーロ アチェ)」。
御所南で2021年にオープンし、2023年にはパエリアの世界大会で優勝、一躍注目を集めた一軒です。
2026年2月、岡崎へ移転オープンしました。

もともとシェフの奥様が住まれていた物件を、レストランとしてリニューアル。
真っ赤なR型カウンターが印象的で、念願だったパエリア用の薪窯も新調されています。

本場スペインでは、薪窯でパエリアを炊くのが伝統的なスタイル。その臨場感ある調理を、目の前で体験できるのも魅力です。

おまかせコース(19,800円・サービス料別)のみ、完全予約制で18時一斉スタート。
現在は予約2〜3ヶ月待ちという人気ぶりです。

一品目は、白菜のテリーヌとアマダイの茶碗蒸し。白菜のテリーヌには赤貝とキャビアを添え、食感・塩味・酸味のバランスが秀逸。
茶碗蒸しには甘鯛鱗焼きが添えられ、青のりと玉子生地のやさしい味わいで、コースのスターターとして心地よい組み立てです。

続いて、子牛ロースに菜の花、からしなを散らし、蕗のとうのソースと大徳寺納豆のパウダーをかけた一皿。
ミルキーな旨味の子牛と、春野菜のほろ苦さが重なり、サラダのような軽やかさです。

スペイン産の生ハムは、標高の高い場所で48ヶ月熟成。厚みのある旨味で、ワインが進む一品。

高校時代の同級生がソムリエ、サービスを担当されており、息の合った連携も印象的です。

春の食材、ホワイトアスパラガスはオーブン焼きに。
玉子のソース、パンチェッタ、木の芽を合わせ、香りと食感、脂の旨味が重なります。

器の多くは、作家の奥様の手によるもの。こちらもアスパラガスに合わせて制作された特注品だそうです。

魚料理は、クエとコンソメ、トリュフのスープ。
コンソメは美山のイノシシと親鶏から丁寧に引いたもの。力強い旨味が重なり合う、滋味深い味わいです。

肉厚なクエにトリュフの香り、クレソンの苦みが加わり、多層的な美味しさに。

料理の合間にも、薪窯ではパエリアがじっくりと進行。生米から約1時間かけて仕上げる工程は、まさにライブ感そのものです。

薪で温度管理しながら仕上げるパエリア。大きなパエリア鍋の扱いは難しいはずですが、見事な仕上がりです。
イカスミとホタルイカの旨味が重なり、まさに旨味の塊。その旨味を吸ったお米は、芯を感じますが、粒立ちよくぷりっとした仕上がりで、香りも抜群。スペイン産のお米ではななく、滋賀県産のお米を使用し親しみのある味わいです。
アリオリマヨネーズのガツンとくる旨味がいいアクセントに。

メインは薪焼きのステーキ。
北海道産和牛フィレかサーロインから選べ、ミックスでの注文も可能。こうした柔軟な対応も嬉しいポイントです。

先ほどまでパエリアを炊いていた薪窯で、そのままお肉を焼き上げます。
クロモジを加え、香りをまとわせながらゆっくりと火入れ。

今回はフィレとサーロインの両方で。休ませながら薪でじっくり焼き上げたお肉は、驚くほどジューシー。
肉本来の旨味をしっかりと感じる仕上がりで、香りも豊か。オーブンでは再現できないグラデーションのある火入れです。

思わず赤ワインを追加。「ヴィニャ・ポマル」の2012年は、複雑な旨味で肉料理に負けない存在感。ワインの品揃えや合わせ方も秀逸で、ペアリングもおすすめ。

続いて、もう一つのパエリアの仕上げへ。直火でおこげをつける工程も見どころ。

鴨肉は幽庵地を塗りながら焼き上げ、絶妙な火入れ。
パエリアにのせて、完成します。

野菜ソフリットをベースに、アチェらしく鱧出汁を合わせています。

野菜と鱧のやさしい旨味に、鴨のジューシーさ、香ばしいおこげのザクッとした食感も加わり、締めにぴったりの一皿。
日本人として、最後にお米をいただくとほっとしますね。満足度もぐっと上がります。

なお、残ったパエリアはおかわりも可能。心ゆくまで楽しめます。

最後はデザート2種。
シェリーを使ったアイスは大人の味わいで、ノンアル対応も可能。

しっとりクリーミーなバスクチーズケーキとともに、ハーブティーでコースを締めくくります。

薪窯を中心に、パエリアや肉料理が同時進行で仕上がっていくライブ感。ここでしか味わえない体験で大満足のコースになりました。

パエリア世界チャンピオンという肩書きに注目が集まりがちですが、コースを通して感じるのは、食材の選び方、使い方、重ね方の巧みさ。
一皿ごとに主役がしっかりと存在しながら、脇役がそれを引き立て、全体として相乗効果を生み出しています。

和の食材も自然に取り入れられており、押し付けがましさはなく、スペイン料理として違和感なく成立しているのも印象的。シェフの和食や海外での経験がしっかりと活きています。

京都ではまだ少ない高級スペイン料理店ですが、全国的に見てハイレベルな一軒。毎月1日より3ヶ月先の予約受付がスタートするので、ぜひチャレンジしてみてください。おすすめの1軒です。

店舗情報

店名:estilo h(エスティーロ アチェ)
住所:京都市左京区岡崎南御所町18-10
営業時間:18:00  一斉スタート
定休日:月曜、火曜
備考:完全予約制
https://www.instagram.com/estilo_h.kyoto/