宿泊しなくても行きたい! 行きやすい ステキなホテルの誕生
夏には陶器祭りが行われ、器屋さんが軒を連ねる五条坂。東大路と交わる少し手前に2022年4月1日「ノーガホテル京都」がオープンしたとのことで、さっそく行ってきました!
エントランスには祝い花のかわりに観葉植物の鉢がずらり。緑はガラス扉の先にも続き、緑に誘われるように館内へ。
フロントがセンスの良いグリーンに囲まれて小さなジャングルのよう。聞けば、こちら新風館にある「DAISHIZEN」がプロデュース。これからお話しを聞くにつれてどんどん知ることになるのですが、「ノーガホテル 清水 京都」はインテリアだけでなく、アート、器、メディテーションなどさまざまな分野のスペシャリストとのコラボにより、知らず知らずに京都の粋が感じられるホテルとなっています。
「DAISHIZEN」が有機的なボタニカルの世界を演出するかと思えば、壁や床は無機質なモルタル塗り。ただ、よくみると塗り方の工夫で、珪藻土の塗りっぱなしのような和を感じさせる仕上げになっています。気づく人は気づく、気づかない人はやり過ごしてしまう。そんな押し付け感のないこだわりに、京都らしいおもてなしの心を感じます。
「京都にホテル、もう飽和してるんじゃない?」 そんなことを思いながら訪れた「ノーガホテル」ですが、そんな気分を打ち消したのが入ってすぐ右手にあるベーカリー「CICON BAKERY by NOHGA HOTEL」。旅行者だけではなくて、地元民でもふらっと入れます。
すべてがスケルトンというか、職人さんがパンを捏ねているところを隔てるものなく見られるのはもちろん、店内に無造作に積まれた小麦粉の袋で原材料が北海道などの国産小麦粉であることまで見て取れます。
ベーカリーの隣にあるカウンターバーも、ゲスト利用自由。コーヒーやクラフトビール、ナチュールワインなどを注文して、ラウンジスペースの席に座ってイートインできます。
宿泊すると、このカウンターバーでSサイズのドリンク1杯と交換できるコインをもらえます。ウェルカムドリンクに使ってもいいし、チェックイン後にちょっと寛ぐ時間に使うのもアリです。
ルームキーを受け取って、お部屋へ。
定員数3名の「デラックスツイン」。セミダブルサイズ幅のベッドが2台にソファーが置かれた広々とした空間。マットレスとピローは信頼の「シモンズ」。
シンプルで洗練された空間。「HORA AUDIO」製の高品質スピーカーが全客室に設置されていて、耳元でささやくような奥行きのある音に包まれて、気持ちよく眠りに落ちれそう。
よくよく見ると、揃えてあるアメニティがひとつずつ高品質。タオルは今治製です。
冷蔵庫は人数分のお水のみ。自由に持ち込み可能です。
さりげなく京都の伝統工芸を活用されていて、メモパッドはなんと清水焼。ほかにもハンガーは、金閣寺内部の修復を手がけた漆工芸の工房が漆塗りで仕上げるなど、言われなければ気づかないようなディテールに本物が使われています。
そんな「ノーガホテル 京都 清水」207室中、もっとも広いスイートルームが77m2の「ノーガスイート」。この部屋は、ホテルに1室のみです。
77m2の広い空間は、リビングルーム、ダイニングスペース、ベッドルームを壁で区切らずに床の高低差などで立体的に構成され、空間を分けています。
ミニキッチンには、コーヒー器具とワインセラー付き。
ミニキッチンには、コーヒー器具とワインセラー付き。
しかも、ワインセラーの中にあるワインは1本プレゼント。ソムリエが揃えた1本ずつ違う種類のワインの中からどれをもらおうか考えるとウキウキ! スイートルームに泊まった特別感を味わえます。
部屋にはテレビはもちろん、レコードプレーヤーまで。非日常!
ダイニングスペースはもちろん、ベッドスペースにもテレビあり。ずっと部屋にいたくなるぐらい贅沢なスペースです。
さりげなくアート作品が飾られ、ダイニングテーブルの後ろのパーテーションは《引き箔》という西陣織の帯に欠かせない技法が取り入れられています。アピールはしないけれども、本物にこだわっているところが京都的。
レストラン&ルーフトップバーも完備
このホテルの中で最も素敵な場所が、このルーフトップバー。13時から23時までの通し営業で、宿泊者以外でも利用可能。
13時からの通し営業だから、こんなふうに日が沈んでいく様子も、その後現れるマジックアワーも、一番星も、変わりゆく空の様子をつまみにお酒を楽しめます。あ、もちろん、食事系のおつまみも充実していますよ。
《ホテルのバー》と身構えるほどには高くない! 普段でもぜんぜん行けます。
日が暮れてくると、テーブルに火が焚かれ、ちょっとソロキャン気分。京都醸造のクラフトビールとチーズ盛り合わせで食事前に軽く一杯。 こんな使い方ができるのは、チャージが飲食代の10%上乗せなだけだから。ちょっと1杯飲みたいときにチャージが1000円だと躊躇しますが、1杯だけ飲むならチャージは100円前後。使い勝手◎。
地下1階には、イタリアンをベースにしたレストランがあります。オープンすぎるくらいキッチンがオープンになっており、ライブ感を楽しめます。
地元食材を使った炭火料理が自慢とのこと。こちらのレストランも、もちろんゲスト利用可になっています。
ホテルステイの魅力はこんなところにも。こちら、地下1階のメディテーションルーム。
30分間の瞑想で内なる世界へ。 こちらの瞑想プログラムは、建仁寺塔頭、両足院の副住職がプロデュースされていて、本格的。ホテルにいながら、お寺で体験できる瞑想を気軽に試せるのがいいですね!
かなり魅力的なノーガホテル 清水 京都。派手派手しい演出は苦手で、本物・本質に触れたい方にオススメのホテルです。