【京都】寺町通にたたずむ、親近感たっぷりのお寺「革堂行願寺」

革堂行願寺は寺町通りに面してある寺院で、昔から京都の人々に親しまれてきた町堂として知られています。今回は、なぜか時折立ち寄りたくなる不思議な魅力のある「革堂行願寺」を紹介します。

目次

革堂行願寺の由緒

via 藤花
革堂行願寺(こうどうぎょうがんじ)が創建されたのは、寛弘元年(1004)のこと。
開基は行円上人(ぎょうえんしょうにん)で、はじめは上京区の一条小川にありました。
もともと行円は狩猟を生業としていた人ですが、ある時射た雌鹿が身ごもっていることに気づき、亡くなった鹿のお腹から子鹿が生まれたそうです。
それを見た行円は、殺生のむごさを悟り、仏門に入りました。

香炉に刻まれた「革堂」の文字

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行円は殺してしまった鹿の皮を衣として常に身に着けていたことから、皮聖(かわひじり)と呼ばれるようになり、行円が創建した行願寺も革堂という通称で親しまれるようになります。
創建以来人々から厚く信仰されていましたが、たびたび火災にあったため寺地を転々とし、現在の地に移ったのは、宝永5年(1708)のことです。

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文化12年(1815)に建てられた本堂には、行円自ら刻んだと伝わる御本尊・千手観音像がお祀りされているほか、境内には都七福神・京都七福神めぐりの1つ・寿老神堂や愛染堂などがあります。

いつ訪れても参拝者が絶えない境内

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私は寺町通りを通るたびに革堂にお参りをするのですが、いつ行っても必ず数人から十数人の方がいらっしゃいます。
この日もまだまだ暑い中、参拝されている方や御朱印をいただいている方などがいました。
革堂は御朱印にも力を入れているお寺で、SNSでも随時発信されています。
もちろん私も本堂へお参りした後は、御朱印をいただきました。
今回は可愛い猫型御朱印。

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実は革堂は地域猫に住まいやえさ場を作ってあげていて、猫の寺としても知られているのです。
本堂の前には猫グッズも販売されていました。

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可愛い御朱印をいただいた後は、七福神さんにご挨拶。
こちらの七福神・寿老神は、長寿・福財・子宝などのご利益があるとされています。

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寿老神堂の奥には、愛染明王が安置されている愛染堂があります。
愛染明王は、恋愛成就・夫婦円満・良縁成就などのご利益があるとされていて、6月30日の愛染明王大縁日には護摩法要も行われています。

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境内の北端には鎌倉時代に作られたといわれる加茂大明神の石塔や百体地蔵尊などが並んでいます。
お地蔵様の中には少し欠けているようなものもあって、長い歴史が感じられるとともに京都の人々にずっと愛されてきたお寺だということがよくわかりました。

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昔は町堂として町の集会場のような役割も果たしていたという革堂行願寺。
初夏は紫陽花に蓮の花、初秋には藤袴と季節の花々も楽しめる革堂は、今もその名残を感じる親しみある素敵なお寺です。

革堂の藤袴

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革堂行願寺の基本情報

・住所 京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町
・電話 075-211-2770
・拝観自由
・開門時間 7:00~17:00
・アクセス 京阪「神宮丸太町」徒歩約10分/地下鉄「京都市役所前」徒歩約15分
・HP https://kaudau.jp/