伏見稲荷の穴場スポット 伊藤若冲終焉の地「石峰寺」で見た圧巻の五百羅漢 

石峰寺は、京都市伏見区深草にある寺院で、伏見稲荷大社から南へ5~6分歩いたところにあります。江戸時代の絵師・伊藤若冲が隠棲したことでも知られ、本殿奥には若冲が手掛けた五百羅漢があります。

目次

伊藤若冲ゆかりの石峰寺

京都市伏見区深草にある石峰寺(せきほうじ)は、正徳3年(1713)に開創された黄檗宗の寺院です。
伏見稲荷大社の南、静かな住宅街を抜けた先にあります。

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民家に挟まれたゆるやかな石段の先には独特な竜宮門が見えます。

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山門の向こうには本堂へ続く参道、その両側には可愛い草花や樹々が生い茂っていました。
境内には誰もおらず、伏見稲荷大社の騒がしさが嘘のような静けさです。
思わず深呼吸!

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振り返ると山門の向こうに深草の町並みが見えて晴れやかな気分になります。

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現在の本堂は、昭和60年(1985)に再建されたもので、御本尊は釈迦如来。
以前のご本尊は薬師如来でしたが、昭和54年(19794)に放火により本堂と共に焼失しています。

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宇治の萬福寺にもみられる卍型の勾欄に異国情緒を感じます。

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本堂の手前右に入ると、五百羅漢石像が並ぶ山中に続きます。
山門と同じ竜宮門をくぐると、急に空気が変わったように感じました。
目の前には静かにたたずむ石像たち。

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五百羅漢像を手掛けたのは、江戸中期の画家・伊藤若冲です。
若冲は京都錦小路の青物問屋(八百屋)の長男として生まれましたが、40歳で家督を次男に譲って画業に専念しました。
初めは狩野派で絵を学んでいた若冲ですが、動植物の生態をリアルに描くことにこだわり、緻密で繊細な絵を追求しました。
特に鶏の絵はよく知られています。

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五百三十体ほど残っている石像は以前は撮影OKでしたが、平成19年(2007)に数体の石像が破損し、平成24年(2012)には石像に帽子をかぶせたり、ろうそくを点したりしたため、現在は撮影NGとなっています。

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釈迦の誕生・来迎菩薩、十八羅漢、説法場、托鉢修行、賽の河原などにまとまった石像を順にみているうちに心が穏やかになり、と同時に言葉にならないパワーを感じます。
撮影ができないことは残念ですが、スマホやカメラから離れて、ただ石像と向き合う時間も大切だと改めて思いました。

若冲は寛政12年(1800O)に85歳の生涯をこの草庵で閉じ、石峰寺に葬られています。

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静かな境内は、日々の忙しさを忘れさせてくれる癒しの場ともなります。
人気観光スポットにはない京都の鄙びた魅力を見せてくれる石峰寺。
マナーをきちんと守りつつ、ぜひ一度お参りしてみてください。

石峰寺の基本情報

・住所 京都市伏見区深草石峰寺山町26
・電話 075-641-0792
・境内自由
・五百羅漢拝観時間 9:00~16:00
・拝観料 大人500円/小人300円
・アクセス JR奈良線「稲荷」徒歩約8分/京阪「深草」徒歩約7分
・HP https://www.sekihoji.com/