暖簾にもありますが、創業明治5年。もう目の前はすぐ上賀茂神社。古くから門前菓子としてよく知られた名店。私ごとですが、親戚の家がこの近くなんで「手土産に焼き餅買おか~」と母が言うのを聞いて、やっぱり上の方は寒いから焼いて温かくして食べるんかぁ~なんて子供のころぼんやりと考えてた記憶が。そんな場所柄だからこそ、出来たお菓子なのかなぁ~なんて。
あの豆餅で有名な「ふたば」にも、店先にこんな鏡あるんですけど。あれ、なんでしょうね。その昔の店舗の標準装備だったんですかね。ショーケースにも歴史を感じます。
老舗の趣を感じる店内。店の中にも椅子が用意され、そこで食べることもできますが、わりと満席気味だったんで、道々食べることに。まあ、お天気のいい日ならそのほうが美味しさ倍増(笑)
けっこうお客さんであふれていました。電話予約して車横付けにして商品だけ取りに来る人も。
でも、あれれ?
前は店先で餅焼いてて、焼き立てをハフハフして食べてたのに・・・焼いてない(汗)
注文すると、奥に女将さんが入っていき、袋に入れた状態で手渡される。温かくはない。
作るのが追いつかないからあらかじめ焼いたものを販売するようになったのか、たまたまこの日だけそうだったのか。よくわかりませんが、この日の焼き餅は焼き立てではありませんでした。
1個130円の「葵餅」。シンプルです。こんがりきつね色。薄い餅に少し中の餡が透けて見えます。餡子パンクさせずに餅で覆うのも、老舗の技ですよね。何気なくいつも食べてますが。
そして、実食。柔らかいです。とろけるような餅。そして、ほんのり甘い餡子。つぶあん。好きなタイプです。しっとりとウエットな餡を香ばしい餅がコーティング。
ここに来るまで自転車で長距離走ってきたので、心地よい甘さが疲れた身体を癒す。
昔の門前菓子って、もしかしたらそういうものだったのかもしれませんね。今みたいに現地まで車で行って、嗜好品として御菓子食べるというより。古の人の感覚に思いを馳せながら、美味しくいただきました。ごちそうさまでした!