【京都建物探訪】年間一か月だけの特別公開!隠れた名所『衣笠絵描き村』の歴史的建造物「櫻谷文庫(おうこくぶんこ)」

汁物大好きな三杯目 J Soup Brothersです!FU~FU~☆彡今回は北区、北野白梅町界隈の歴史的建造物。年間で1か月程度、しかも土日祝日だけの特別公開。日本画の大家・木島櫻谷の製作拠点となった場所。

目次

年間で1か月程度、しかも土日祝日だけの特別公開

北区、北野白梅町から西へ。ちょうど洛星高校の西側。
前々から見学したかった場所。一年のうちで3月から4月上旬、しかも土日祝日限定で毎年特別公開されている建造物。そうだ、この時期だった!と思い出して、休日に急遽やってきました。

明治から大正昭和にかけて活躍した日本画家・木島櫻谷(このしまおうこく)の和館、洋館、画室など3棟からなる旧邸宅。大正初期の建築で平成19年に国の登録有形文化財に。

建物はこんな配置に。

今回は、建物の見学はもちろんのこと、「桃の節句」と題して、それにちなんだ展示品が並びます。

まずは和館。木造2階建、入母屋造り瓦葺。お庭を望む縁側には炉もあり、お茶も楽しんだんでしょうか。

かつて、この衣笠界隈は『衣笠絵描き村』と呼ばれ、大正から昭和50年代頃にかけて、多くの日本画家の大家とその門弟が集まった芸術の街。その先頭を切って衣笠に移り住んだのが、木島櫻谷。

代表作『寒月』は、京都市京セラ美術館の展覧会でも公開予定とのこと。

木島櫻谷は、1877年三条室町の商家に生まれ、16歳で京都画壇の大家・今尾景年に師事。と同時に儒医山本渓愚に儒学、本草学を学びました。その非凡な才能は早くから頭角を現し、京都画壇の人気作家として注目。

当時使用していた画具も。

桃の節句らしい品が並びます。

孫の婚礼衣装の絵付けを自ら施したそうです。

他、写生や動物画が数多く展示。

おくどさんのある当時の台所。

さらに洋館へ。

螺旋階段の緩やかな曲線。

中央にある掛物は櫻谷の作品ですが、両サイドは伊藤若冲作。

ふすまには、愛らしい櫻谷手書きのわらびの絵。今見ても古びない、不思議とモダンな印象を受けます。

外観は洋館なんですが、竹や日本の建材を巧みに使い、センスの良さやオリジナリティーを感じる、画家の邸宅ならではな意匠。

画室。昔の画家のアトリエって、どこもこんなに広いのか?と思えるほど。80畳ほどの大画室。ここで弟子たちの指導もしていたそうです。

ちょっと特徴的な建築構造みたいです。
公開期間がかなり限られ、これを逃すとまた来年というレアな特別公開。この機会お見逃しなく!

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詳細情報

住所:京都市北区等持院東町56−1
電話番号:075-461-9395
公開期間:2020年3月7日(土)~4月12日(日)の間の土日祝日
公開時間:10~16時
見学料:大人600円 小人300円
公式サイト:http://www.oukokubunko.org/index.html